まさかのカップル逮捕……お二方のファンというわけではないけど、同世代としては衝撃的なニュースでした。
大麻を常習して使っていたのなら、しかるべき施設できちんと治療をしてくれたらなと思います。
全日本民主医療機関連合会のリンクを読んでみましたが、大麻の扱いはとてもあいまいなようです。タバコよりも害がない、というのは本当でもなく、かといってウソでもなく。使い方によって悪にも善にもなるもの、といったところでしょうか。
THC(デルタ・9・テトラハイドロカンナビノール)という物質が入っていなければ、安全に利用できるそうです。麻を利用しているものは食品から雑貨までいろいろありますよね。
さらに興味深いのが、各国の大麻取り扱い事情。オランダは大麻が合法だとばかり思っていたのですが、実際は決められた量を持っていても罪には問われないというだけ。
一方、イギリスは大麻は禁止しています。しかし所持しているだけでは逮捕ができないそうです。宗教的な儀式で大麻を利用する国は大麻に対してさほど厳しくないようですが、東アジアのイスラム教を信じている国では死刑になることも。
大麻の扱いって本当にあいまいだな……と思ったのが、下記の文です。
「大麻は有害である。大麻を摂取すれば、広範囲な肉体的・精神的危険にさらされる」 という一文で始まりますが、「非注射のアンフェタミン(覚せい剤の一種)に匹敵する危険はない」とも記載されており、曖昧です。
全日本民主医療機関連合会『特集2 広がる大麻 周囲を巻きこみ“地獄を見る”可能性が』より引用
イギリス政府は大麻の害を知らせるため、さまざまなキャンペーンを行っていたそうです。そして2006年、大麻の害に関する科学論文を調査し、発表した際に書かれた文章なのですが、あんまり危険性を知らせられていないような……。
人によっては「よっしゃ!覚せい剤よりもマシ!」とポジティブに捉えてしまって、抑制にはならないと思います。自分なりに調べてみたのですが、大麻を使って肉体に急激な変化が起こった、という記述が見当たりません。
下記は厚生労働省に掲載されている大麻乱用者の告白です。
体がだるい、大麻タバコの腐った汁がまずくてグルグルめまいがして吐いた、記憶力が落ちたくらいで、「絶対に大麻になんて手を出さないぞ……」と思わせる一文がまったくといっていいほど見当たりません。
「大麻で逮捕されて家庭が崩壊しました、結婚が破談になりました、留置場に入れられました、だから大麻はやめましょう!大麻、ダメゼッタイ」という展開なので、説得力があまりないです。っていうか、ライターに発注しただろ、この告白コーナー。一番最後の投稿、携帯小説のノリじゃないか。
大麻は本当に肉体的なダメージが多くないのでしょう。どちらかというと精神的に不安定になるようです。大麻精神病と呼ばれる状態になり、幻覚や幻聴、被害妄想が出てくるのだとか。しかしこの症状も投薬治療で病的体験が消失するようなので、あまり抑止力にはならないでしょう。
結局のところ、大麻が他の薬物よりも害があるとは言えません。科学的根拠がないので、大麻の危険性を訴えることが難しい。「違法薬物をやることで、あなたの社会的信用が失墜します」というアプローチしかできないでしょう。
個人的には大麻の是非は問いません。日本では違法、海外では認められている国もある、という認識で、大麻に手を出す人を必要以上にバッシングする気はないです。もちろん大麻を推奨する気もありません。
どちらかというと、大麻や薬物に依存している人や依存する自分に苦しんでいる人をサポートする体制を充実させてほしいと思います。やめたくてもやめられない、自分の意思ではどうにもならない、第3者の力を借りなけらばどうにもならない場合が確実に存在しているので。